Pietro Vecchi
メッセージ
私は大学生時代に大事な友だちに次のことを教えてもらいました。「勉強していることは人に仕えるためです。そう考えると、学んでいるスキル、探求している真実、読んだり見たり聞いたりするものは、突然に意味深くなる」ということでした。私はたまたま建築を勉強していたので、そう考え始めたら、建築と人間が携わるあらゆる他分野とのつながりが見えてきて、人々が一緒にいる美しい空間が必要だということ、また世界において多様な形でこの同じ必要性があることに気が付きました。好奇心が湧いてきて、色々な問題について考え始めました。特に、私はもっとも答えが見つけたい問題はこれらです:
・建築設計を通して非人間的な状況を少しでも改善できるか?(建築とヒュマニズム)
・人格の形成の場所である学校と大学の空間はどうあるべきか?(建築と教育)
・過去の人々からの遺産、周りの自然、人々の平和的な共存を尊重するためにどうデザインすれば良いか?(建築と調和)
もちろん、まだ答えは見つかっていません。ですから、学生の皆さんと歩みながら、予想外の発見や新たな問題に出会うのをお楽しみにしています。
担当授業科目
ドローイング演習
保存再生計画
建築・インテリア演習(Ⅰa・Ⅰb)
建築・インテリア概論(オムニバス)
演習(ゼミ)について
ゼミのテーマは「調和するまち」です。ゼミの目的は、社会、⾃然、⽤途、過去と調和する空間について研究し、デザイン実践をすることです。具体的には、海外も含めた様々な地域における都市再⽣の多様な課題(特に教育・厚⽣・連帯活動のための参加型空間デザイン・建築や街並みの保存)に取り組みます。
※学⽣は卒業プロジェクトとして設計・制作・論⽂のどれでも選べます。
研究課題・活動など
主な研究テーマ:戦後⽇本の⼤学キャンパスの空間構成とコミュニティ。
他の研究テーマ:学校建築計画、戦後モダニスト建築の保存再⽣。
活動:建築設計・ファシリテーター活動、建築学会「新たな都市の価値実体化委員会」委員、Tonalestate summer university(国際平和⽂化フォーラム)の準備委員、司会、通訳者。
略歴
1991 年イタリア・レッジョ・エミリア市⽣まれ。⼤学⽣時代で中⽶・エルサルバドルのための連帯活動を⾏い、2017 年にローマ第一大学(Sapienza Università di Roma)で修⼠課程(建築学)を修了し、イタリア「Architetto」区分”A”国家試験に合格。2018 年に来⽇。ワンダーラスト建築設計事務所(愛知県)と協⼒、近畿⼤学⼯業⾼等専⾨学校と⽇本福祉⼤学経済学部で⾮常勤講師として勤めながら、2023 年に名古屋市⽴⼤学⼤学院芸術⼯学研究科の鈴⽊賢⼀研究室で学位を取得(博⼠・芸術⼯学)。2024年より、愛知淑徳大学創造表現学部で講師として勤める。